ざっくりとしたニコライ・メトネルの生涯

メトネルの死後

1953年3月5日、スターリンが亡くなりました。皮肉なことに、まったく同じ日にプロコフィエフも亡くなりました。

この結果、スターリンの後を継いだフルシチョフによって、1956年にスターリン批判が行われます。

フルシチョフ
フルシチョフ

もうスターリンのやり方ではダメなのだ

この後起こったスターリン体制の反動である「雪どけ」は最終的には中途半端に終わりますが、スターリン体制で抑え込まれていたものが緩められたということは確かでした。ということで、この人がさっそく音楽分野でも雪どけを主張しています。

ハチャトゥリアン
ハチャトゥリアン

これまでよりも自由に音楽ができるんだ

こうした流れを受けて、1953年にはこの時期のソ連を代表するピアニスト、ギレリスがメトネルの復権論文を発表しました。

ギレリス
ギレリス

ソ連から出てしまったからといって、

あんな素晴らしい作曲家を不当に貶めてはいけない

こうした動向の結果、1958年にアンナ・メトネルはギレリスなどの助けでソ連に戻りました。ただし、以後のアンナはメトネルの回顧録に投稿があった記録くらいで、2人の間に子供もいないので、その後はよくわかりません。

こうして、メトネルの長い人生で語ることは終わりました。彼の人生というのは、悲劇的な結末でもなければ、めでたしめでたしとも言えない、そういうものです。ですが、東西冷戦において両陣営双方で認められた存在ではあったため、割合早くから一定の評価はされていました。この流れは冷戦終結後、ミルン、トーザー、アムランといったピアニストたちによる全集事業が相次ぐことで、加速します。

やがて、日本でも楽譜が刊行されるなど一定の知名度が確立します。特に、ウラジーミル・トロップの弟子であるメジューエワの日本在住などもあって、小曲の国内版もリリースされるようになりました。また、なぜか声優・牧野由依の特典CDで彼女がメトネルを演奏しているのも、師匠とかそういうアレです。

メトネルの生涯は、辛く苦しいものとなり、必ずしも本人にとっては報われたものではないかもしれません。しかし、71年の歩みの中で、メトネルは確実に爪痕を残し、今もなお愛されている存在なのです。


制作・著作
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参考文献

メトネルに関する一次史料

  • イリイン, イヴァン(2008)「同時代人の見たニコライ・メトネル(6)И.А.イリイン:「メトネルの音楽」、「メトネルの音楽について」、「音楽と言葉(Н.К.メトネルの演奏会に寄せて)」」(高橋健一郎訳)『札幌大学外国語学部紀要 文化と言語』69号 p.249~283
  • イリイン, イヴァン(2010)「同時代人の見たニコライ・メトネル(9)И.А.イリイン:「作曲家にして予見者であるニコライ・メトネル(現代ロシア音楽におけるロマン主義と古典主義)」」(高橋健一郎訳)『札幌大学外国語学部紀要 文化と言語』72号 p.167~199
  • ドロズドフ, アナトーリ、ラフマニノフ, セルゲイ(2010)「同時代人の見たニコライ・メトネル(10)ドロズドフ:「ニコライ・メトネル(ソ連来訪によせて)」 ラフマニノフ:「偉大なロシア人作曲家メトネル」」(高橋健一郎訳)『札幌大学外国語学部紀要 文化と言語』73号 p.135~148
  • ベールイ, アンドレイ(2006A)「同時代人の見たニコライ・メトネル(1)アンドレイ・ベールイ:「雪のアラベスク:メトネルの音楽」」(高橋健一郎訳)『札幌大学外国語学部紀要 文化と言語』64号 p.146~166
  • ベールイ, アンドレイ(2006B)「同時代人の見たニコライ・メトネル(2)アンドレイ・ベールイ:「神的秘術について」より–アンドレイ・ベールイ:「ニコライ・メトネル『ゲーテの詩による9つの歌』」」(高橋健一郎訳)『札幌大学外国語学部紀要 文化と言語』65号 p.267~282
  • ミャスコフスキー, ニコライ(2007)「同時代人の見たニコライ・メトネル(3)Н.Я.ミャスコフスキー:「Н.К.メトネル–その創作特徴についての印象」」(高橋健一郎訳)『札幌大学外国語学部紀要 文化と言語』66号 p.117~135
  • メトネル, ニコライ(2019)「翻訳 N.メトネル『ミューズと流行 : 音楽芸術の基礎の擁護』翻訳と解題(1)」(高橋健一郎訳)『札幌大学総合論叢』48号 p.127-151
  • メトネル, ニコライ(2020)「翻訳 N.メトネル『ミューズと流行 : 音楽芸術の基礎の擁護』翻訳と解題(2)」(高橋健一郎訳)『札幌大学総合論叢』49号 p.159-178
  • メトネル, ニコライ(2021)「ニコライ・メトネルの音楽論(1)『ミューズと流行 : 音楽芸術の基礎の擁護』翻訳と解題(第1部第3-5章)」(高橋健一郎訳)『言語文化研究』47号 p.259-276
  • メトネル, ニコライ(2022)「ニコライ・メトネルの音楽論(2)『ミューズと流行 : 音楽芸術の基礎の擁護』翻訳と解題(第1部第6章)」(高橋健一郎訳)『言語文化研究』48号 p.249-266
  • Апетян, Заруи Апетовна(1963)「Метнер Н. К. Повседневная работа пианиста и композитора. Страницы из записных книжек」
  • Апетян, Заруи Апетовна(1973)「Метнер Н. К. Письма」
  • Белый, Андрей & Метнер, Эмилий(2017)『Андрей Белый и Эмилий Метнер. Переписка. 1902–1915』1、2
  • Метнер Николай Карлович(2019)『Муза и мода』(初版は1935年)

全体の骨子に関わるもの

  • 髙久暁(2013)「ニコライ・メトネルの作品の校訂:問題点・原理・方法」日本大学芸術学部紀要第57号、pp49-62
  • 高橋健一郎(2011)「ロシア文化史におけるニコライ・メトネルの音楽」『札幌大学総合研究』2号 p.133-159
  • 高橋健一郎(2019)「亡命と音楽:ニコライ・メトネルの場合」『ルースキイ・ミール――文化共生のダイナミクス――』(諫早勇一編) p.27-53
  • Bitzan, Wendelin and Flamm, Christoph(ed.)(2021)『Nikolai Medtner: Music, Aesthetics, and Contexts』
  • Долинская, Елена Борисовна(1966)「Николай Метнер : монографический очерк」Moscow
  • Долинская, Елена Борисовна(2013)「Николай Метнер」Moscow
  • Flamm, Christoph(1995)「Der russische Komponist Nikolaj Metner : Studien und Materialien」Heidelberg
  • Karpeyev, Alexander(2014)「New light on Nikolay Medtner as pianist and teacher : the Edna Iles Medtner Collection (EIMC) at the British Library」London
  • Konsistorum, Natascha(2004)「Der Komponist Nikolai Medtner. Ein Porträt」Berlin
  • Ljunggren, Magnus(1994)「The Russian Mephisto: a study of the life and work of Emilii Medtner」Stockholm
  • Martyn, Barrie(1995)「Nicolas Medtner: His Life and Music」

メトネル本人に関するもの

  • 柿沼太郎(1942)「ニコライ・メットナア」『現代作曲家群像』 p.159~163
  • 髙久暁(校訂)(2003)『メトネル 忘れられた調べ 第一集 作品38』
  • 高橋健一郎(2023)「ニコライ・メトネルの音楽哲学におけるメタファー体系」『言語文化研究』49号 p.93-113
  • 高橋健一郎(2024)「ニコライ・メトネルの音楽哲学におけるディオニュソス主義」『人文学林』1号 p.107-124
  • Bitzan, Wendelin(2020)「Decision, Hope, and Resignation. Nikolai Medtner in Berlin, 1921–24」
  • Hamilton, Michael (2017)「German Blood Russian Birth: Nationality in the Solo Piano Music of Nikolai Medtner」
  • Момо, Саито(2020)「НИКОЛАЙ МЕТНЕР ― ПРОФЕССОР МОСКОВСКОЙ КОНСЕРВАТОРИИ」『ХУДОЖЕСТВЕННОЕ ОБРАЗОВАНИЕ И НАУКА』22号 p.162-167

関連作曲家に関するもので、比較的信用のおけるもの

  • アペチャン・ザルイ(編)(2017)『ラフマニノフの想い出』(沓掛良彦監訳、平野恵美子、前田ひろみ訳)
  • 一柳富美子(2007)『ムソルグスキー: 「展覧会の絵」の真実』
  • 一柳富美子(2012)『ラフマニノフ: 明らかになる素顔』
  • 梅津紀雄(2017)「セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953) 大田黒元雄との交遊」長塚英雄(編集)『続・日露異色の群像30 文化・相互理解に尽くした人々』 p.302-322
  • 梅津紀雄(2018)「伝記史料とイメージ操作──二十世紀ロシアの作曲家の自叙」中村唯史、大平陽一(編集)『自叙の迷宮 近代ロシア文化における自伝的言説』
  • 菊間史織(2024)『プロコフィエフ (作曲家・人と作品シリーズ)』
  • 青土社編(2008)『ユリイカ』2008年5月号
  • スクリャービン、ユリアン(2023)『4つの前奏曲』
  • ストラヴィンスキー、イーゴリ(2012)『音楽の詩学』(笠羽映子訳)
  • ストラヴィンスキー、イーゴリ(2013)『私の人生の年代記 ストラヴィンスキー自伝』(笠羽映子訳)
  • 高橋健一郎(2011A)『ロシア人作曲家~ロシア・ピアノ音楽を開花させた作曲家達~』
  • 高橋健一郎(2011B)『アレンスキー: 忘れられた天才作曲家』
  • 高橋健一郎(2018)『ロシア・アヴァンギャルドの宇宙論的音楽論: 言語・美術・音楽をつらぬく四次元思想』
  • プロコフィエフ、セルゲイ(2009)『プロコフィエフ短編集』(サブリナ・エレオノーラ、豊田菜穂子訳)
  • プロコフィエフ、セルゲイ(2010)『プロコフィエフ 自伝/随想集』(田代薫訳)
  • Ballard, Kenneth and Kallis, Vasilis(ed.)(2022)『Demystifying Scriabin』
  • Prokofiev, Sergei(2006)『Sergey Prokofiev: Diaries 1907-1914: Prodigious Youth』(Phillips, Anthony訳)
  • Prokofiev, Sergei(2008)『Sergey Prokofiev: Diaries 1915-1923: Behind the Mask』(Phillips, Anthony訳)
  • Prokofiev, Sergei(2012)『Sergey Prokofiev Diaries 1924-1933: Prodigal Son』(Phillips, Anthony訳)
  • Smith, Lincoln and Bengtson, Matthew(ed.)(2017)『The Alexander Scriabin Companion: History, Performance, and Lore』

関連作曲家に関するもので、比較的信用のおけないもの

  • クラフト、ロバート(1998)『ストラヴィンスキー友情の日々』上、下(小藤隆志訳)
  • サバネーエフ、レオニード(2014)『スクリャービン: 晩年に明かされた創作秘話』(森松晧子訳)
  • バウアーズ、フォービオン(1995)『アレクサンドル・スクリャービン: 生涯と作品』(佐藤泰一訳)
  • バジャーノフ、ニコライ(2003)『伝記ラフマニノフ』(小林久枝訳)
  • ハリソン、マックス(2016)『ラフマニノフ 生涯、作品、録音』(森松晧子訳)
  • 藤野幸雄(1996)『モスクワの憂鬱 スクリャービンとラフマニノフ』

関連作曲家に関するもので、判断を留保しているもの

  • ヴォルコフ、ソロモン(1986)『ショスタコーヴィチの証言 改版』(水野忠夫訳)
  • ヴォルコフ、ソロモン(2018)『ショスタコーヴィチとスターリン』(亀山郁夫、梅津紀雄、前田和泉、古川哲訳)
  • 梅津紀雄(2002)「ソ連文化を記述する──歴史の記憶化とショスタコーヴィチ研究の現在」『ロシア語ロシア文学研究』34号 p.23-31
  • 梅津紀雄(2003)「動向紹介 ロシア音楽史再考のなかのショスタコーヴィチ」『思想』952号 p.107-121
  • 梅津紀雄(2006)「史料としての回想録 : 記憶の歴史化とショスタコーヴィチ研究におけるその位相」『工学院大学共通課程研究論叢』43号 p.43-56
  • 梅津紀雄(2011)「ショスタコーヴィチとロシア革命 : 作曲家の生涯と創作をめぐる神話と現実」『青山学院女子短期大学総合文化研究所年報』18号 p.97-113
  • 梅津紀雄(2013)「ショスタコーヴィチのニューヨーク訪問(1949) : 米ソ冷戦と音楽」『東京国際大学論叢経済学部編』48号 p.75-88
  • 亀山郁夫(2018)『ショスタコーヴィチ 引き裂かれた栄光』
  • 工藤庸介(2006)『ショスタコーヴィチ全作品解読』
  • ショスタコーヴィチ、ガリーナ(2003)『わが父ショスタコーヴィチ―初めて語られる大作曲家の素顔』(田中泰子訳)
  • ショスタコーヴィチ、ドミートリイ(1987)『ショスタコーヴィチ自伝 時代と自身を語る』
  • 千葉潤(2005)『ショスタコーヴィチ (作曲家・人と作品シリーズ)』
  • ファーイ、ローレル(2005)『ショスタコーヴィチ ある生涯 [改訂新版]』(藤岡啓介、佐々木千恵訳)
  • ヘーントワ、ソフィア(1997)『驚くべきショスタコーヴィチ』(亀山郁夫訳)

その他ロシア音楽史に関する参考文献

  • 一柳富美子(2022)「「ロシア・ピアニズム」を巡る日本の現状とロシアに於けるピアノ音楽文化の黎明期」『昭和音楽大学研究紀要』41号 p.110-121
  • 一柳富美子(2024)「「ロシア・ピアニズム」誕生の背景 : 音楽史の中のロシアとウクライナ、19 世紀の音楽文化概観」『昭和音楽大学研究紀要』43号 p.63-75
  • 伊藤恵子(2002)『革命と音楽 ロシア・ソヴィエト音楽文化史』
  • 梅津紀雄(2008)「音楽の前衛とロシア・アヴァンギャルド」『工学院大学研究論叢』41巻1号 p.17-33
  • 梅津紀雄(2009)「音楽のジダーノフ批判はいかに起こったか――討論会記録にみるそのプロセス」『東京国際大学論叢経済学部編』41号 p.65-82
  • 梅津紀雄(2014)「雪どけ期のソ連音楽政策の転換過程」『ロシア語ロシア文学研究』46号 p.111-130
  • 梅津紀雄(2016)「非公式芸術音楽における管理と自由 : 後期ソ連と冷戦」『工学院大学研究論叢』53巻2号 p.23-37
  • オヤマダアツシ(2012)『ロシア音楽はじめてブック』
  • 亀山郁夫(2012)『チャイコフスキーがなぜか好き 熱狂とノスタルジーのロシア音楽』
  • クリューコフ、アンドレイ、ミハーイロフ、ホプローヴァ、ヴァシレーンコ、バルッチェヴァ(1995)『ロシア音楽史』1、2(森田稔、梅津紀雄訳)
  • 佐藤泰一(2012)『ロシアピアニズム改訂版』
  • 服部龍太郎(1956)『ロシア音楽』1~3
  • マース、フランシス(2006)『ロシア音楽史―『カマーリンスカヤ』から『バービイ・ヤール』まで』(森田稔、中田朱美、梅津紀雄訳)
  • 安原雅之(1987)『ロシア・アヴァンギャルド音楽研究』
  • 山本明尚(2018)「初期ソ連のスクリャービン受容――ある作曲家の「神話化」をめぐる力学」『音楽文化学論集』8号 p.129-139
  • 山本明尚(2020)「プロレタリアートのための音楽──初期ソ連におけるプロレトクリトの音楽創作実践」『音楽文化学論集』10号 p.107-118
  • 山本明尚(2023)「革命直後ソヴィエトにおける「プロレタリア音楽」概念の発達 ――プロレトクリトからРАПМへ――」『音楽文化学論集』13号 p.97-107
  • 日本ロシア音楽家協会(2006)『ロシア音楽事典』
  • Hakobian, Levon(2016)『Music of the Soviet Era: 1917-1991』
  • Sitsky, Larry(1994)『Music of the Repressed Russian Avant-Garde, 1900-1929』

音楽以外のロシア文化

  • イヴァノフ、ヴァチェスラフ、ロートマン、ユーリー(1984)『ロシア・アヴァンギャルドを読む―ソ連芸術記号論』(桑野隆訳)
  • 海野弘(1988)『ぺテルブルク浮上-ロシアの都市と文学』
  • 海野弘(2000)『ロシア・アヴァンギャルドのデザイン: アートは世界を変えうるか』
  • 海野弘(2015)『ロシア・アヴァンギャルドのデザイン 未来を夢見るアート』
  • 海野弘(2017)『ロシアの世紀末: 銀の時代への旅』
  • 海野弘(2020)『華麗なる「バレエ・リュス」と舞台芸術の世界-ロシア・バレエとモダン・アート-』
  • エヴラームピエフ、イーゴリ(2022)『ロシア哲学史——〈絶対者〉と〈人格の生〉の相克』(下里俊行、坂庭淳史、渡辺圭、小俣智史、齋須直人訳)
  • 亀山郁夫(1993)『甦るフレーブニコフ』
  • 亀山郁夫(1989)『終末と革命のロシア・ルネサンス』
  • 亀山郁夫(1996)『ロシア・アヴァンギャルド』
  • 亀山郁夫(1998)『破滅のマヤコフスキー』
  • 亀山郁夫(2002)『磔のロシア: スターリンと芸術家たち』
  • 亀山郁夫(2003)『熱狂とユーフォリア: スターリン学のための序章』
  • 亀山郁夫(2006)『大審問官スターリン』
  • 川端香男里、佐藤経明、中村喜和、和田春樹、塩川伸明、栖原学、沼野充義(監修)(2004)『新版 ロシアを知る事典』
  • グロイス、ボリス(2000)『全体芸術様式スターリン』(亀山郁夫、古賀義顕訳)
  • グロイス、ボリス(2024)『ロシア宇宙主義』(乗松亨平監訳)
  • 桑野隆(2017)『20世紀ロシア思想史――宗教・革命・言語』
  • 桑野隆(2020)『言語学のアヴァンギャルド』
  • 現代企画室(出版)(1991)『道標(ロシア革命批判論文集1)』
  • 現代企画室(出版)(1992)『深き淵より (ロシア革命批判論文集2)』
  • コトヴィチ、タチヤナ・ヴィクトロヴナ(2007)『ロシア・アヴァンギャルド小百科』(桑野隆監訳)
  • 国書刊行会(出版)(1989)『ロシア・アヴァンギャルド1 テアトル1』
  • 国書刊行会(出版)(1988)『ロシア・アヴァンギャルド2 テアトル2』
  • 国書刊行会(出版)(1994)『ロシア・アヴァンギャルド3 キノ』
  • 国書刊行会(出版)(1991)『ロシア・アヴァンギャルド4 コンストルクツィア』
  • 国書刊行会(出版)(1995)『ロシア・アヴァンギャルド5 ポエジア』
  • 国書刊行会(出版)(1988)『ロシア・アヴァンギャルド6 フォルマリズム』
  • 国書刊行会(出版)(1990)『ロシア・アヴァンギャルド 7 レフ』
  • 国書刊行会(出版)(1993)『ロシア・アヴァンギャルド8 ファクト』
  • ザパタ、ルネ(1997)『ロシア・ソヴィエト哲学史』(原田佳彦訳)
  • シュニッツェル、リュダ、シュニッツェル、ジャン、マルタン、マルセル(1987)『回想のロシア・アヴァンギャルド: インタヴュー・ソビィエト映画を築いた人々』(岩本憲児、大石雅彦、宮本峻訳)
  • セミョーノヴァ、S. G.、ガチェーヴァ、A. G.(1997)『ロシアの宇宙精神』(西中村浩訳)
  • 谷寿美(1990)『ソロヴィヨフの哲学-ロシアの精神風土をめぐって-』
  • 谷寿美(2015)『ソロヴィヨフ 生の変容を求めて』
  • 谷寿美(2017)『智恵の系譜:ロシアの愛智の精神と大乗仏教』
  • 乗松亨平(2015)『ロシアあるいは対立の亡霊 「第二世界」のポストモダン』
  • 奈倉有里(2021)『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』
  • 中村唯史、坂庭淳史、小椋彩(編集)(2022)『ロシア文学からの旅:交錯する人と言葉』
  • 沼野充義、望月哲男、池田嘉郎(代表編集)(2019)『ロシア文化事典』
  • ファイジズ、オーランドー(2021)『ナターシャの踊り: ロシア文化史』上下(鳥山祐介、巽由樹子、中野幸男訳)
  • 藤沼貴、水野忠夫、井桁貞義(編著)(2005)『はじめて学ぶロシア文学史』
  • ボウルト、J.E.(1988)『ロシア・アヴァンギャルド芸術 理論と批評, 1902-34年』(川端香男里、望月哲男、西中村浩訳)
  • 御子柴道夫(1982A)『ソロヴィヨフ著作集〈別巻 1〉ソロヴィヨフとその時代第一部』
  • 御子柴道夫(1982B)『ソロヴィヨフ著作集〈別巻 2〉ソロヴィヨフとその時代第二部』
  • 御子柴道夫(2011)『ウラジーミル・ソロヴィヨフ――幻視者・詩人・哲学者』
  • 御子柴道夫(編集)(2016)『ロシア革命と亡命思想家: 1900-1946』
  • 水野忠夫(1985)『ロシア・アヴァンギャルド 未完の芸術革命』

他地域の音楽・文化

  • 青柳いづみこ(2023)『パリの音楽サロン ベルエポックから狂乱の時代まで』
  • 明石政紀(1995)『第三帝国と音楽』
  • 今谷和徳、井上さつき(2024)『フランス音楽史』
  • 磯田健一郎(1998)『近代・現代フランス音楽入門』
  • 音楽之友社(編集)(1998A)『作曲の20世紀1 19世紀末から1945年まで』
  • 音楽之友社(編集)(1998B)『作曲の20世紀2 1945年以降』
  • 久保田慶一(2017)『決定版 はじめての音楽史: 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』
  • ケイター、マイケル.H.(2003)『第三帝国と音楽家たち―歪められた音楽』(明石政紀訳)
  • スミス、ジョーン・アレン(1995)『新ウィーン楽派の人々―同時代者が語るシェーンベルク』(山本直弘訳)
  • 多木浩二(2021)『未来派: 百年後を羨望した芸術家たち』
  • 田崎直美(2022)『抵抗と適応のポリトナリテ──ナチス占領下のフランス音楽』
  • 辻邦生(責任編集)(1986)『世紀末の美と夢 1 フランス』
  • 辻邦生(責任編集)(1986)『世紀末の美と夢 2 ドイツ、オーストリア』
  • 辻邦生(責任編集)(1986)『世紀末の美と夢 3 イギリス』
  • 辻邦生(責任編集)(1986)『世紀末の美と夢 4 ロシア』
  • 辻邦生(責任編集)(1986)『世紀末の美と夢 5 イタリア、スペイン他』
  • 辻邦生(責任編集)(1986)『世紀末の美と夢 6 非在の土地』
  • デッラ・セータ、ファブリツィオ(2024)『19世紀イタリア・フランス音楽史』(園田みどり訳)
  • デュフルク、ノルベルト(1972)『フランス音楽史』(遠山一行、平島正郎、戸口幸策訳)
  • トレンド、マイケル(2003)『イギリス音楽の復興: 音の詩人たち、エルガーからブリテンへ』(木邨和彦訳)
  • 中川右介(2016)『戦争交響楽 音楽家たちの第二次世界大戦』
  • 中川右介(2017A)『ロマン派の音楽家たち: 恋と友情と革命の青春譜』
  • 中川右介(2017B)『冷戦とクラシック―音楽家たちの知られざる闘い』
  • 長木誠司(1995)『フェッルッチョ・ブゾーニ』
  • 長木誠司(1998)『第三帝国と音楽家たち』
  • 沼野雄司(2021)『現代音楽史-闘争しつづける芸術のゆくえ』
  • 浜田明(1998)『ダダ・シュルレアリスムを学ぶ人のために』
  • 平井正(1993A)『ダダ/ナチ 1913-1920』
  • 平井正(1993B)『ダダ/ナチ 1920-1925』
  • 平井正(1994)『ダダ/ナチ 1926-1932』
  • ポルシル、フランソワ(2016)『ベル・エポックの音楽家たち セザール・フランクから映画の音楽まで』(安川智子訳)
  • 前島良雄(2011)『マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来』
  • 水谷彰良(2015)『新 イタリア・オペラ史』
  • 道下京子、高橋明子(2000)『ドイツ音楽の一断面』
  • 宮下誠(2006)『20世紀音楽 クラシックの運命』
  • 宮下誠(2007)『「クラシック」の終焉?: 未完の20世紀音楽ガイドブック』
  • 山尾敦史(1998)『近現代英国音楽入門』
  • 吉田寛(2013A)『〈音楽の国ドイツ〉の神話とその起源: ルネサンスから十八世紀』
  • 吉田寛(2013B)『民謡の発見と〈ドイツ〉の変貌: 十八世紀』
  • 吉田寛(2015)『絶対音楽の美学と分裂する〈ドイツ〉』
  • リーヴィー、エリック(2001)『第三帝国の音楽』(望月幸男監訳)
  • 渡辺裕(2004)『マーラーと世紀末ウィーン』(1990年の『文化史のなかのマーラー』の新装版)

その他一般歴史

  • 池田嘉郎(2007)『革命ロシアの共和国とネイション』
  • 池田嘉郎(2017)『ロシア革命――破局の8か月』
  • 池田嘉郎、松戸清裕、浅岡善治、宇山智彦、中嶋毅、松井康浩(編集)(2017A)『世界戦争から革命へ (ロシア革命とソ連の世紀 第1巻)』
  • 池田嘉郎、松戸清裕、浅岡善治、宇山智彦、中嶋毅、松井康浩(編集)(2017B)『スターリニズムという文明 (ロシア革命とソ連の世紀 第2巻)』
  • 池田嘉郎、松戸清裕、浅岡善治、宇山智彦、中嶋毅、松井康浩(編集)(2017C)『冷戦と平和共存 (ロシア革命とソ連の世紀 第3巻)』
  • 池田嘉郎、松戸清裕、浅岡善治、宇山智彦、中嶋毅、松井康浩(編集)(2017D)『人間と文化の革新 (ロシア革命とソ連の世紀 第4巻)』
  • 池田嘉郎、松戸清裕、浅岡善治、宇山智彦、中嶋毅、松井康浩(編集)(2017E)『越境する革命と民族 (ロシア革命とソ連の世紀 第5巻)』
  • 大木毅(2019)『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』
  • 川北稔(1998)『イギリス史』
  • 神崎忠昭(2022)『新版 ヨーロッパの中世』
  • 北原敦(2008)『イタリア史』
  • 木畑洋一、秋田茂(2011)『近代イギリスの歴史:16世紀から現代まで』
  • 木村靖二(2001)『ドイツ史』
  • 黒川知文(1996)『ロシア社会とユダヤ人』
  • ゲルマン、アルカージー、プレーヴェ、イーゴリ(2008)『ヴォルガ・ドイツ人: 知られざるロシアの歴史』
  • 小山哲、上垣豊、山田史郎、杉本淑彦(2011)『大学で学ぶ西洋史[近現代]』
  • サーヴィス、ロバート(2013)『トロツキー』上、下(山形浩生、守岡桜訳)
  • ジョーンズ、マイケル(2013)『レニングラード封鎖: 飢餓と非情の都市1941-44』(松本幸重訳)
  • 杉本淑彦、竹中幸史(2015)『教養のフランス近現代史』
  • 鈴木肇(2003)『人物ロシア革命史』
  • 鈴木健夫(2021)『ロシアドイツ人――移動を強いられた苦難の歴史』
  • セベスチェン、ヴィクター(2017)『レーニン 権力と愛』上、下(三浦元博、横山司訳)
  • ソールズベリー、ハリソン.E.(1980)『攻防900日: 包囲されたレニングラード』上、下(大沢正訳)
  • ソ連邦司法人民委員部、トロツキー、レフ(2018)『ブハーリン裁判』(鈴木英夫訳)
  • 田中陽児、倉持俊一、和田春樹(編集)(1995)『ロシア史』1
  • 田中陽児、倉持俊一、和田春樹(編集)(1994)『ロシア史』2
  • 田中陽児、倉持俊一、和田春樹(編集)(1997)『ロシア史』3
  • ダニエルズ、ロバート・ヴィンセント(1970)『ロシア共産党党内闘争史』
  • ダニロフ、アレクサンドル、コスリナ、リュドミラ(2011)『ロシアの歴史』上、下(吉田 衆一、 クラフツェヴィチ、アンドレイ監修)
  • 田野大輔、柳原伸洋(2016)『教養のドイツ現代史』
  • 鶴見太郎(2012)『ロシア・シオニズムの想像力―ユダヤ人・帝国・パレスチナ』
  • 土肥恒之(2005)『よみがえるロマノフ家』
  • 土肥恒之(2007)『ロシア・ロマノフ王朝の大地』
  • 土肥秀行、山手昌樹(2017)『教養のイタリア近現代史』
  • 中嶋毅(2017)『スターリン: 超大国ソ連の独裁者』
  • ナゴルスキ、アンドリュー(2010)『モスクワ攻防戦――20世紀を決した史上最大の戦闘』(津守滋訳)
  • 服部良久、南川高志、山辺規子(2006)『大学で学ぶ西洋史[古代・中世]』
  • ビーヴァ―、アントニー(2002)『スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943』(堀たほ子訳)
  • 平井友義(2012)『スターリンの赤軍粛清: 統帥部全滅の謎を追う』
  • 福井憲彦(2001)『フランス史』
  • 藤本和貴夫、松原広志(編集)(1999)『ロシア近現代史: ピョートル大帝から現代まで』
  • ブレースウェート、ロドリク(2008)『モスクワ攻防1941: 戦時下の都市と住民』(川上洸訳)
  • 三浦清美(2003)『ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ』
  • メリグーノフ、セルゲイ・ペトローヴィッチ(2010)『ソヴェト=ロシアにおける赤色テロル(1918-23): レーニン時代の弾圧システム』(梶川伸一訳)
  • モンテフィオーリ、サイモン・セバーグ(2010A)『スターリン: 赤い皇帝と廷臣たち』上、下(染谷徹訳)
  • モンテフィオーリ、サイモン・セバーグ(2010B)『スターリン: 青春と革命の時代』(染谷徹訳)
  • モンテフィオーリ、サイモン・セバーグ(2021)『ロマノフ朝史 1613-1918』上、下(染谷徹訳)
  • 横山茂雄(2020)『増補 聖別された肉体: オカルト人種論とナチズム』
  • 和田春樹(編集)(2002)『ロシア史』
  • 和田春樹(2016)『スターリン批判』
  • 和田春樹(2017A)『ロシア革命――ペトログラード 1917年2月』
  • 和田春樹(2017B)『レーニン――二十世紀共産主義運動の父』

脚注

  1. 名前しか残っておらず、どこのだれか全く不明 ↩︎
  2. もちろん、ヒトラーとかあの辺のやつと全く同じ意味である ↩︎
  3. ラフマニノフの伝記に出てくる文通相手のまさにあの人 ↩︎
  4. 自分の音楽論の理想を具現化するような音楽家 ↩︎
  5. スクリャービンの義兄 ↩︎
  6. スクリャービンの代表的な取り巻きで、他の陣営からは側近気取りだの散々言われていたどころか、スクリャービンの死後自陣営からも嫌われた ↩︎
  7. FGOのエレナとしてキャラクター化もされている、ブラヴァッキー夫人が創設したオカルト団体
    スクリャービンはBalard(2020)などではブラヴァッキー夫人の著書を積ん読していただけでそこまでかぶれておらず、正直都合よく我田引水していただけではという疑惑も強くなっているのだが、当事者証言として引用はしておく ↩︎
  8. ブラヴァッキー夫人の死後の神智学協会のお家騒動の後、クリシュナムルティらが席巻した神智学協会を離れて人智学協会をルドルフ・シュタイナーが新たに設立した、という流れ
    つまり、同じようなオカルト団体なのだが、文化や教育などにも力を入れたことから、シュタイナーの名はオカルティズム以外の文脈でも残っている ↩︎
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